鉄人28号(映画) ― 2006/09/11 22:50
何の話かと言うと、実写映画版「鉄人28号」のことなんですけどね。
先日WOWOWでの放送を見た訳です。
俺は鉄人世代でも無いんですが、少なくとも原作を面白いと思った一人として言わせてもらうなら、
この映画にはワンダーが足りねえですよワンダーが!
少なくとも、あの日少年達が夢中になっていた鉄人の姿って、こんなんじゃないはずだ。
もともと鉄人28号とは、「銃を乱射し車を乗り回す少年探偵」な金田正太郎君が、颯爽と巨大ロボットを駆り覆面被ったギャング団をちぎっては投げちげっては投げ・・・という痛快娯楽作だったはずではないか。
しかしこの映画の正太郎は普通の子どもに過ぎなかったりする。最初はまともに鉄人を操縦できず、回って転んでビルに突っ込み、挙句にもう嫌だと操縦を放棄する。
この子どもは断じて正太郎ではないですよ。
「普通の少年が突然ロボットの操縦者になったら?」という設定の中では然るべき事象だろうけど、これは「鉄人」という作品のフォーマットに着せるべきものなのか。
本来の鉄人が持っていた「現実性」は、そんなロボットアニメの入口で立ち止まるようなものじゃなく、「リモコン強奪」、「電波撹乱」、「操縦者への直接攻撃」等々、領域を一歩も二歩も踏み込んだところにあったのではないか。
不思議なのは、世界観を現代に移した割に、肝心の鉄人は「当時のフォルムを忠実に再現」というアンバランスを生じさせていることだ。
山口造形の手にかかればこれほどかっこよく化ける鉄人が!
この有様とは……!

どうもなぁ。なんだかなぁ。
ブリキのおもちゃにしか見えないんだよなぁ。
そしてこの鉄人は鉄人という無骨な名に似合わず、高級車のように磨きぬかれた光沢を披露し、どんなに暴れてもそれがハゲたりしないんですよ。
ディスプレイモデルならそれでいいだろうさ。
だが現実の街角にそびえたち、ブラックオックスと散々殴りあった果てにまだつるつるピカピカしているその姿には存在感ってものがまったく感じられません。
ロボットアニメの持つカタルシスをリアルという名目で削ぎながら、逆にリアルな存在感を表現することには無頓着なような、これを統一感がないと言わずしてなんと言おう。うーん。
荒唐無稽な娯楽映画って、日本じゃ作っちゃいけないことになってるんだろうか。
劇場版ボウケン&カブトに行ったけど…… ― 2006/08/19 00:02
失敗したなぁ。世間はお盆なんだよなぁ。
ビックリするぐらい混んでる映画館を見てそのことに気がつきました。
そういう訳で、何をしに映画館かっつうと勿論ボウケンジャー&カブトですよ。小さいお友達に紛れてこそこそ見てまいりました。
入口で配ってた入場者プレゼント(うちわみたいなやつ)、係のお兄さんは一瞬迷ってたけど俺にはくれませんでした。ここで「俺にもくれ!」って手を出せる図太さがあれば……。
この先はネタバレを含みますのでご注意を。
轟轟戦隊ボウケンジャー THE MOVIE 最強のプレシャス
謎の山、謎の生物、謎の美少女、謎のおっさん、と色んな要素に囲まれたボウケンジャー映画でしたが……うーん。ちょっと散漫だったかな。いきなり後ろ向き感想で申し訳ない。
冒頭のネガティブ大集結は圧巻だったですよ。それぞれにイメージカラーがあるんで、一堂に会すると彩りが豪華。三割り増しぐらいで投入された戦闘員も絶妙に多すぎていい感じ。
でもここが映画のピークで、後はなんだか尻すぼみに。
ネガティブの出番が実質コレだけだったのも残念。そのせいで、山へ行く目的があやふやになってしまったのは否めない。「恐竜を絶滅させた生物」も、思わせぶりに出てきた割にあんまり幅を利かせずに終わってしまったし。
今回はプレシャス入手っていうより、明石にとっての「自分だけの宝」とは?ってのが主題だったんで、「争奪戦」の色合いが薄くなるのは仕方ないと言えば仕方ないのかな。
最初の派手さがあっただけに、最終決戦がハイド・ジーン一体だけというのもかなりの落差が。せっかくだから虫軍団が再登場しても良かったのに。
巨大戦もいまひとつ見所に欠けた感じが。敵がずるずる長い割に戦闘は頭の部分だけに終始してしまったんだよな。
尺が短いだけに、もっと構造を単純にしても良かったかな?という印象。
その意味では去年のマジレン映画の方がよく出来てたと思います。
とりあえず虫に怯えるさくら姐さんとチーフの尻には加点。よくやった。
劇場版 仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE
これは……もう……どう言えばいいのか……。
色んなことを「こういうことか?」って強引に補完してっても、絶対的に説明不足過ぎて何がなんだか分かりません。
・ネオZECTがZECTから離反した理由に具体性が見えない。
・天空の梯子計画を乗っ取ることの将来性が見えない。
・加賀美とひよりの関係が唐突過ぎて落ち着かない。
・ひよりに対する天道の態度も豹変が過ぎて落ち着かない。
・新ライダー、案の定使い捨て……。
・水が干上がったという緊迫した世界に対しサルの中が呑気すぎる。
・ワームが話に絡んでない。
・ていうかパラレル劇場版はもうやめね?
……そんな感じです。
ラストでテレビ版に繋がるような素振りも見せてますけど、ぶっちゃけそんなのどっちでもいいっつうか……。
変に愛とか裏切りとかこんがらがった話をやらなくても、同じ予算使って痛快娯楽大作にはじゃダメなのか。
この際パラレルでもいいから、天空の梯子計画を阻止しようとするカブトと、計画の裏を知って加勢するガタックが、ZECT最強の3ライダーを撃破するぜ!ってなもんでいいじゃん。いらないよネオゼクトだの。宇宙だの。
ふぬぬぬぬ。なんで面白かったーっ!って劇場を後にさせてくれないんだかなぁ……。
ざっくりメビウス感想① ― 2006/07/26 23:10

うっかり予約の時間を変更し忘れて録り逃したと思いきや、なんと後から始まる野球が中止になった影響で放送時間が元に戻るという訳の分からない現象が発生し、結果的にはちゃんと録れててこりゃ一安心と早速観てみたらばいきなりコノミさんがコンタクト入れてるシーンから始まって「何が起きた!?」とあたふたしてた訳ですが何の話かというとウルトラマンメビウスの話です。
コスモスからウルトラ離れを起こし、ネクサスでは戻ってこれなかった俺ですが、マックスからは完全復帰してメビウスも継続して視聴中。どうも俺の嗜好はウルトラ好きのチビっ子たちとあんまり変わらないみたいで。
初回から防衛組織が半壊滅状態で、仲間集めから始まるってのが個人的に結構ツボでした。各メンバーについても、GUYS入隊にまつわる葛藤を浅からず深刻過ぎずの適度なバランスで描いていて、お互いがそれを理解し尊重しあうのも見てて気持ちがいいです。昼行灯の隊長さんが有事にはちゃんと上司との間に入って調整をしてくれるのも頼もしい。SHOTの隊長さんと違って。
マックスに続いてレトロ怪獣が割とあからさまに登場してますが、重箱の隅を突くラインナップは逆にコアなファン層を取り込めそうな気がします。俺はあまりコアなファンでもないので、ムカデンダーとかサドラとか言われてもピンとこない世代なんですが。
さて今回のメビウスは第16話「宇宙の剣豪」。
夏休みを前にして、みんなで協力して物事を成し遂げることの大切と、宿題を早めにやっとかないとこういうめに遭うぞ、という教訓が入り混じった良い話だったんじゃないでしょうか。
その裏で進行していたコンタクト劇は、メガネ属性のない人には何のことやら分からないエピソードだったと思いますが、アレにはスタッフの「伊達にメガネっ子出してる訳じゃないからな!」という気迫というか妄執みたいなものを感じましたがどうですか。
あと、個人的に好きなのは第11話「母の奇跡」。
お話としてはツルギがヒカリとして復活する重要なエピソードなんですが、そんなことはどうでも良くて肝心なのはウインダムVSディノゾールリバースの方ですよ。平成ウルトラ特撮は映像にしかできない説得力に満ちてて良いと思いませんか。

これですよ。
なんだか分かんないけど鋭利で俊敏で硬質な触手で光線を薙ぎ払う、という状態を見事映像化ですよ。これ凄ぇカッコイイと思ったなぁ。
怪獣同士の光線の打ち合いなんて、映像は派手でも状況は地味でつまんないことが多いですが、この戦いには絶妙な緊張感が漂ってるんですよ。必死に防ぐってことは光線を脅威と感じている訳で、そんなビームをギリギリの紙一重で薙ぎ続けるなんて一瞬も気の抜けない真っ向勝負じゃないですか。
どうせだから、平成ナイズされて妙にスマートなウィンダムとか見たかったなぁなんて思いますけども。
まぁそんなこんなで、今後もなんかが琴線に触れたらレビューしてこうと思います。メビウス。
いやそれにしても特撮者の端くれとしては、毎日のようになにかしら変身ヒーローがテレビに映っている現状は夢のようだ。
小さき勇者たち GAMERA ― 2006/04/29 23:15
公開初日ってことで、意外と客がいるんじゃないかと一時間前には劇場に行ってたんですけどね。いざ入ってみたら無惨にもガラッガラ。全部で10人ぐらいしかいないの。うーん。結構宣伝費とか掛けてるよなぁって印象だっただけに、とても不安になりました。
以下ネタバレ。
詳しい内容は実際に映画館に足を運んでくださいってことでここでは雑感だけ。
まず、表題にもあるように小さき勇者たち=ガメラを含む子ども達の奮闘、が映画の主題になっていて、これは主に成功していると思う。ガメラの石を子どもたちがリレーする様子なんか、結構感動的で泣きそうになりましたよ。また特撮も大変凝っていて、特に好きなのはジーダスが研究所の壁を突き破るシーン。上からの視点で撮ってるのにジーダスのリアルな巨大感が感じられるいい場面だったんじゃないでしょうか。
ただ、全体に詰め込んでる感は否めないかなぁ。
例えばジーダスの介入があまりにも唐突で、せっかく冒頭にギャオスのシーンがありその亜種ではないかなんてパンフに書いてあるんだから、劇中にそんなセリフがちょっとあってもいいよね。餌を求めて上陸するのはまだしも、名古屋に運ばれたガメラをただ追ってくる、なんて都合よすぎだってば。
あと病気の幼馴染もなんの意味があるのか不可解だったし。そんな余計なシーン入れるぐらいならもっと少年とトトのシーンを増やしてもいいぐらいだと思う。彼女が病気であってもなくてもストーリーに大差ない。
でもやっぱ一番気になるのは気ぐるみだな。ガメラが子どもであるってことを考慮しても、ちょっと丸すぎではないか。甲羅を背負ったミニラにしか見えないんだよなぁ。しかも「人間入ってます」感が丸出しなんだよ。足とか。もともとカメから育ったってことで四足のシーンが多いのかもしれないけど、今の時代四足の怪獣にヒザ付かれちゃうとちょっと引くな。ジーダスが割とよく出来てただけに残念だ。
ガメラを救おうとするのは親父の仕事でも良かったかも。「昔あのガメラの親に助けられて親になったオレが、今度はガメラの子を助ける番だ!」みたいな。
そうでないとあの主人公とトトの繋がりってどうも希薄な気がするんだよ。だって彼はピー助を育てたのび太の1/10も苦労してないと思うぞ。
いい映画だったけど、少し対象をボヤかしすぎてどの層にも受け入れがたい出来になってしまってないかな。正直特撮ファンとしての視点だけで言うなら冒頭の自爆ガメラが一番面白かったと言える。
しかしそれなりの興行成績を上げてほしいなぁ。あの新ガメラが少し成長して迫力が出てきた頃にまた会いたいものだ。映画として手放しの絶賛は出来ないけど、とにかくみんな観に行って下さい。(どんな勧め方だよ)
小さき勇者ガメラに会いに行く ― 2006/04/09 20:12

せっかく来るっていうなら地元民としては観に行かなきゃなるまいて。
つうことでガメラ全国縦断キャンペーン終焉の地、MOVIX利府に赴いてきました。
てっきり撮影に使ったヤツが来るのかなーと思ってたんだけど……違うよなぁ、これ。

一応イベントとしてケヅメリクガメに餌付けとか大声コンテストとかいろいろやってたけど、俺が参加したら顰蹙を買うような内容ばかりなので遠巻きにして写真捕るぐらいしかすることなし。
まぁこういうのはとにかく足を運んだことに意義があるんだよ。あるんじゃないかな。

畜生。モニターが邪魔で正面から撮れねぇ。
意外とお茶目な佇まいを見せるオブジェだったけど、これはこれなりに迫力を感じて怖がる子どももいたのが印象的だった。
「死んでるの? 死んでるの?」って聞く子どもに「死んでるよ」と答えてるお父さんがいた。
さて。キャンペーンも行ったし前売りも買ったしメイキングも見たし、あとは映画観るだけだな。
怪獣映画の公開が待ち遠しいなんてゴジラミレニアム以来じゃないかしら。
願わくばあの時のように複雑な顔で劇場を出る、なんてことがありませんように。
バカの熱血ブレアード ― 2006/02/28 22:01
話は結構重いのに、敵も味方もみんな緩いのが絶妙で良いです。特に敵。ことあるごとに「もう侵略やめて帰りたい」ばかり言うのがまた。
そして既に各方面で人気を博しているようですが、俺のお気に入りもやっぱりこいつです。

ちょっとバカなところもある、のではなく完全にただのバカな火将軍様。
いいよなぁ。一人だけコスモカプセルを持ってないとか、3日もごみ箱に閉じ込められてたのに誰もいないことに気付いてくれないとか、チョコレートが欲しいけどいらないよ!って意地張ってみたりとか。なんかいちいちツボ。
今週の第12話(地方なので放映遅れてます)は、恐獣が底を付いたので将軍の誰かを巨大化して代用しようという酷い作戦が立案され、

当然のようにブレアードが生贄にされます。
一応じゃんけんで決めたというけど、一番肝心なのは「あれは後出しだ!」という彼の主張をまともに取り合ってもらえた形跡がないことだと思われる。つーかブレアードって絶対「最初にパーを出す」とか他の二人に知られてるんだよ。で、知られてることに気付いてないんだよ。

どうでもいいけどやたらと拘束されるの好きだよな。
「余計なことをするから」ってだけで味方に磔にされるんですよこの人。
しかも縛られながら「もう食べられない~」って満腹の夢を見ているという。完璧だ。完璧なアレだ。
ブレアードのことばっか書いたけど、番組としても非常に好きです。
セイザーそれぞれにサポートが付いているのも一興。しかも美少女・ロボット・外人のオヤジ、とラインナップも豊富。また、フォルムにこだわりが見えるメカ造形もなかなかです。特にコアブレイバーの動きのよさは龍星王を彷彿とさせますね。あれが偵察用なんてもったいない。
今週で宇宙へ逃げ帰ってしまったデスカルだけど、よそのレビューで見るとどうやら今後もブレアードは暴走していくようなので一安心です。
感動とお笑いのウルトラマンマックス ― 2005/10/24 01:06
テレビ録画はパソコンの機能に任せてるんだけど、どうもこいつが最近ストライキを起こしがち。そろそろHDDレコーダーの導入を検討しようかなぁ。
友達に連絡を取ったら運良く録画してたというのでどうにか見られそうだけど、感想書くのはしばらくオアズケです。
そんなわけで折角だから久しぶりに空想科学お笑い番組「ウルトラマンマックス」の不定期レビューでも書いてみようかと。
開始当初はなんだかなぁな部分が多々あっていまひとつ乗り切れなかったマックスだけど、もう大丈夫。俺はマックスが大好きです。いろんな意味で。
特に映像処理に関してはカッコ良すぎ。マックス対ヘイレンの音速対決だとか、どっこいしょーって合体するキングジョーだとか、テレビの特撮であんなものが見られるなんて幸せだ。ゼットンやキングジョーが弱すぎることなんて二の次です。マックスが強いんだよきっと。
さてそんなマックス第15、16話は三池崇監督がメガホンを取ったってことで一部の話題になってました。で、これがまた両極端な2話ながら、どちらもかつてない映像を残す名エピソードに仕上がってます。
「第三惑星の奇跡」で見せた壊滅する都市の圧倒的な迫力もさることながら、やはり俺のお気に入りは第16話「あなたはだあれ」。
有機生命体の脳から記憶を奪ってしまう宇宙生物の襲来に、

変身の仕方を忘れる主人公!

光線の出し方を忘れるウルトラマン!

トサカを元に戻せない!
ぶはははは! いや、笑った笑った。
敢えて舞台を水辺にした演出も見事でしたと言うより他ない。水にボチャンと落ちたマクシウムソードをまさぐって探すマックスの哀愁漂う姿とかが秀逸です。どんな戦闘中でも勝手に外れたことがないのに、記憶を失った途端にずりっと抜け落ちるってのも絶妙に緩んでる様子を醸し出してて素晴らしい。
どうでもいいが、DASHって正常に稼動してることの方が少ないんじゃなかろうか。
ということで、意外とウルトラマンマックスは歴史に残る迷作になりそうな気がします。
願わくば、せっかくの旧怪獣を使ったエピソードがイマイチ地味なのでそこをひとつなんとか。
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